

さあ、様々な情報が飛び交い、
憶測と思惑に彩られた2010年のシーズン開幕が間近に迫ってきた。
今シーズン2度目のオフのテストに、新しい撮影機材投入のテストも含め、
そして何よりも自らが開幕ダッシュについていけるようにと、僕も参加する事に。
いつものように成田からパリへ、
そしてマドリッドへ向かい、さらにヘレスへと飛ぶ。
成田を出てからおよそ24時間、
シーズン中は当たり前のスケジュールだが、
オフで時差の無い生活に慣れ親しんだ体にはやはり慣らしが必要だ。
ヘレス、もうしばらく行ってないかもしれない...
最後に行ったのはいつだったろうか?記憶にも定かではない(笑)
しかし到着して車をピックアップして走り始めると、
その街並は僕の記憶と寸分違わず、
何も変わっていない素晴らしさを改めて実感する。
これがヨーロッパの良さ!懐かしい日々が蘇る。
1987年当時、オートバイとF1を追いかけるシーズンを過ごしていた僕は、
充分な資金も無く、レースウィークエンドの日曜日だけホテルに泊まり、
自分も含め洗濯をしたものだ(笑)
そして日曜日以外は車の中で寝泊まりをして、
F1、オートバイと毎週ヨーロッパを車で移動しながら、
現像、セレクト、発送と各国から日本へ写真を送っていた。
半年余りで7万キロに及んだその走行距離、相棒と言ってもいいルノーのヴァンテアン、
オレンジの実が成った街路樹が更に記憶を蘇らせる...
空港到着後、タラップで機体を降りてターミナルまで歩くのだが、
地上に降りると風は暖かく、心地良い。
そして碧空すら覗いているではないか?
しかしこの晴天が単に僕の歓迎の為だったとは思ってもいなかった...(笑)


一夜明けて、テスト初日。
まだ陽射しは雲の隙間から射し込んでいる。
大丈夫かな?そう思いながら午前9時のセッション開始に合わせて僕もコースイン、
しかし、ものの30分もしないうちにポツリときた...
と思ったのも束の間、気がつけば空一面が厚い雲に覆われている、
あっという間に、しっかりとウエット・コンディションに変わってしまった。
自他ともに認める大の雨嫌い。
それだけに撮影意欲も大幅にダウン...
しかし天気予報は4日間とも雨、
ならばと、気合いを入れてカメラにも本人にもカッパを着せて挑むのだが(笑)
何とか昼間で頑張れば...そう思い全身濡れ鼠。
しかし、ここで問題発覚!
セッションは何と9時から5時まで。休憩無し、ランチ無し!
えっ?ヨーロッパ人がランチ抜きで仕事するの?
僕の常識ではあり得ないよ!
しかもここはスペイン、言わずと知れたシエスタ(午睡)の国、
オフィシャルがよくも受け入れてくれたものだ。
しかしそんなスケジュールでは僕も文句は言えない。
やむなく濡れたまま、更にコース上で撮影続行、
そもそもテストではガレージ内の撮影はほとんど不可能なので、
おのずとコースにいる時間が多くなる。
そしてピットなら少なくとも雨は凌げるのだが、コースには屋根が無い。
そんな訳で今日はとてつもなく長く辛い一日だった...
雨に濡れて空腹を抱えても、8時半までは我慢。
こうなりゃ熱いお風呂に直行するしかないね!
ホテルで聞いても、ネットで調べても、
ようするに、どこで誰に聞いても明日からも予報はずっと雨。
撮影のオーダーは基本的には晴れを想定しているものばかり、
これじゃあ4日間では終わらないかも...
せめて一日だけでも晴れ間を!