GP Letter

2006.05.08

EUROPE GP Sunday


ニュルブルクリンクを埋め尽くした真っ赤な軍団の声援は、
コックピットのM・シューマッハに届いた!


「復活フェラーリ」実に見事、スマートな勝利だ。
イモラの勢いに乗って、強い赤組は2連勝。
まあ、うがった見方をすればイモラもニュルブルクリンクも、
フェラーリの地、そしてマイケルの国だから、言うなればホームゲーム。
となると次のスペインはF・アロンソの地元。
当たり前だがルノーも相当入れ込んでくるだろう。
そのアウェイでの戦いでこそ今年のフェラーリの真価が問われる。


木曜日のLetterでも書いたが、ニュルブルックリンクからパリまで4時間。
なので本日は決勝レース終了後、なるべく速やかにサーキットを後にし、
パリに戻り作業をする事にした。
表彰台を撮影後、そのままの格好で機材を持ち観客の間を縫って、
コースを横断、歩道橋を渡って駐車場へと小走りに急ぐ。
途中、御年65才のTeam ZEROBORDERの長老格R・シュレーゲルミルヒを
追い越し、既にスタンバイをしていたF1SCENEのAD、T氏の待つ車へ。


この時、一番早いのは自分だ!と思っていたが、
すでに我がチームのメンバーが二人も彼の前を通過していたという。
何と素早い連中だ!じゃあ僕は三番目か...
そう思いながら駐車場の出口に差し掛かると、
隣の車にもう一人のメンバーの顔が...
一体なんてチームだ!フェラーリが勝ったというのに、
我先を競い帰路につく...こりゃ自分も含め問題だ!


しかし普通の雑誌なら必要で、使われる写真も、
むしろF1SCENEでは使ってもらえないことが多い。
(というか99パーセント使わない!)
まあそれが独自のビジュアルを構成するツボでもあるのだが。


しかしカメラマンとしてレース終了後の記者会見や喜びのシーンを撮らずに、
サーキットを後にするのは、本音を言えば怖いものだ。
もしも自分の帰った後に何かあったら...


だが、ケジメをつけるのは自分自身だ。
だからそれぞれのリズムとテンポで撮影をし、サーキットを後にする。
これがTeam ZEROBORDERのそしてF1SCENEの個性なのだと、
最近では開き直っているのだが...

2006.05.07

EUROPE GP Saturday


周囲を山に囲まれたニュルブルクリンク、
元々、旧コース(1周およそ20キロ)で名を馳せたサーキットだ。
スカイラインGTRの開発や、市販車のテストコースとしても有名であり、
近くのアデナウの街の中華屋には彼ら開発部隊が残した、
日本語メニューもあるので知られている。


そんな環境なので、当たり前だが宿泊もまともなホテルは(失礼!)
まず予約が取れず、民宿や民宿並みのパブの2階などが取れればいい方。
一般の観客に至っては、90パーセント以上は「キャンプ」という名の野宿状態!


そんな彼らのキャンプ道具で一番重要なのが何をおいても「ビール」!
まずはビールなくしては何も始まらない。
そしてお次は?と言えば、ビールとくればもちろんバーベキュー・セット。
道端や芝生の上で、それこそ朝まで痛飲しているから
寝袋でもあればあとは問題無し、テントを張っているグループは相当マシな方。


という訳で、レースがスタートする頃には夢の中...。
そんな観客を相当見かけるのがドイツ圏内のグランプリである。
地元が近いM・シューマッハがポールを取り損ねた事を理由に、
きっと今宵も遅くまで飲み、語り、花火を打ち上げドンチャン騒ぎになるだろう。


都会型のサーキットでは見る事のできない独得のグランプリ・ワールドがここでは展開される。


今日のアロンソ/ルノーは燃料軽めでポールを奪取と見た。
という事は、スタートからどこまでマイケルを引き離せるか?
これがポイントになるだろう。
サッカーならホーム&アウェイで圧倒的に有利、不利が働くが、
さてこのF1ではどうなのだろうか?
コックピットのドライバーにドイツの観客の声援は届くのだろうか?

2006.05.05

EUROPE GP Friday


「金曜日のセッション不要論」、最近そこかしこで叫ばれだした。


そりゃそうだ、ファンは贔屓のドライバーを見るのを楽しみにやって来るのに、
走るのはテスト・ドライバーばかりで、
肝心のレース・ドライバーは金曜の午前中などロクに走りゃしない。


例えば今日の午前中をみると、マイケルは4ラップ、
アロンソ、フィジケラは2ラップ、
トゥルーリ、モントーヤに至っては何と1ラップ!
(しかもこの1ラップというのは、アウト、インの1ラップで、
スタート&フィニッシュラインを通過してないのだ)
だがこれでもまともな方だからたまらない。
レースの直前にテストを開催したコースに至っては、
本当に悲惨なフリー走行になってしまう...。


これでは金曜日のセッションは要らないのではないか?
そんな声が聞こえてきても不思議はない。


もちろんエンジンの使用基数が決められているし、
耐久性の問題もあるので、
チームとしてはやたらとマシンを走らす訳にはいかない。
これはチーム側としては当たり前の判断。


では興行としても成り立ちそうに思えない金曜の走行を制限するのは?
そう!FIAなのである。
某チームのドライバー人事に口を挟む前に、
もっと大局を見るべきではないのか?


モズレーさん、この際スッキリと土曜日、日曜日の2デイ・イベントにして、
ガンガン車が走る、見ていても、撮影していても楽しい週末にしませんか?

EUROPE GP Thursday


パリを午前7時に出発。
レンタカーのトヨタ・カローラはディーゼルながら、
180キロの巡航全く問題なし!何と恐るべし日本車、
そして何と恐るべし我がドライビング!


およそ4時間あまりでニュルブルックリンクに到着。
そこで待ち受けていたのは驚くべきニュースだった!
井出選手がヨーロッパGPに出場しない。
FIA、M・モズレーからのファックスで、チームに対し
「もっとテストで走り込んで経験を増やしてからレースに臨め」
そう言った内容が背景だった。


僕が注目したのは木曜日に行われるFIAの定例の記者会見。
毎レース5人のドライバーが選ばれ、レース前にプレスの質問に答えるのだが、
今回はM・シューマッハ、R・シューマッハ、C・クリエン、N・ハイドフェルド、
そしてイモラで井出選手に飛ばされたかたちのC・アルバース。
果たしてその場で「今回の井出選手の事をどう思うか?」と言う質問が出され、
全員にコメントが求められた。


当事者でもあるC・アルバースは自分もトップチームでないから、
テストでマイレッジを稼ぐ辛さも判るからなのか、井出選手を擁護する好意的な発言。
そしてN・ハイドフェルドはやや厳しめのコメント。
一番注目していたM・シューマッハは笑いながら「ノーコメント!」
彼が井出選手に「F1を楽しんでるかい?」と尋ねたという噂もあって、
気にしていたのだが...
帝王は我関せず、論外に井出選手を否定しているように思えた。


残念ながら、ここまでの状況はどれをとっても決して井出選手に有利な要素は無い。
でもだからこそ、イモラで「辛いです...」ともらした一言を飲み込んで、
次のレースへのジャンピングボードにして欲しかったのだが...


これがF1、そしてこれもF1。
非情な世界だと改めて思う。
何としても井出選手の復活を願う。