GP Letter

2006.05.29

MONACO GP Sunday (After the race)



モナコGP、78周を終えて新旧対決の決着はアロンソの圧倒的勝利。


今期、10点、もしく8点というポイントしか獲っていないアロンソ、
言い換えれば必ず1位か2位でゴールしているという証。
安定性+速さを持ち合わせた新王者の死角はどこに?
そう思わせるほど完璧なレースぶり。


マイケルも最下位からのスタートで確かに頑張ったが、
失う物の無いポジションだからこそできた追い上げだと思う。
しかし、アロンソはマシンをいたわりながら、
ポイントやタイム差を緻密に計算した走り。
まさに王者の戦いぶりをマイケルの目の前で見せつけた!


モナコGPを初めて制したアロンソ、
チャンピオンを獲ってもモナコを制していなかった彼が、
待望のタイトルを手に入れ、どう変わるか?


次の興味はマイケルが進化し、そして変化して行ったように、
アロンソ自身がどうなっていくのか?
タイトル争いよりも僕にはそっちの方が興味深いかもしれない。

2006.05.28

MONACO GP Sunday Special (Before the race)


FIA、スチュワードの裁定により、
M・シューマッハのポールポジションが剥奪され、最後尾スタートとなった。


やはり王者は王者らしくあって欲しい、
例え故意でなかろうが、疑わしき行為をしたことは事実だし、
実際にスチュワードはそれを故意と捉えたから、
このような厳しい裁定が下ったのだろう。


7回もチャンピオンを手にしている男がなぜ?
もしかしたら本当にレーシングアクシデントだったのかもしれない...
だが王者たるものは、いつ如何なる時も隙も見せてはならない。
もとより他者よりも注目されるのは承知のはず、
王者だからこそ、若きチャンピオンを自らの力でねじ伏せて欲しかった。


それにしても、せっかくのモナコGPも水を差された気分だ。
これから始まる決勝レースに対するモチベーションの維持が難しい...
僕にとって記念すべき20回目のモナコGPで、
正々堂々と新旧王者の戦い振りを繰り広げて欲しかった、
これは僕の切なる願いであった...


しかし、モナコはモナコ。
気分を新たに、再び伝説となるような戦いが起きることを願って、
この後スターティング・グリッドへ向うことにする。

MONACO GP Saturday



昨晩はゆったりと気分よく過ごした休日の夜の仕上げとして、
お気に入りのビルフランシュの港沿いのシーフード料理へ。
南仏はこの時期、夜8時はまだ明るく、
気分的にはディナーというムードではないのだが、
周りの明るさと関係なくお腹は正直に空くものなのだ。(笑)


ゆったりと時間をかけて夕暮れから日没へと海の色の変わりゆく姿を眺めつつ、
美味しいシーフードに舌鼓をうち、楽しい会話を続けていると、
ふと気がつけば、辺りはいつの間にか闇につつまれていた。
食事を切り上げ、モナコの絶景ポイントへと車を走らせ、
光のベールを羽織ったモナコを遥か眼下に臨み、
一同満足でホテルへ帰還。


一夜明けて、いよいよモナコGPも佳境、本日は予選。
モナコではグリッドのポジションがレースにまともに影響する。
従っていつもの余裕のある予選とは少しばかり趣も異なり、
誰もが一つでも上のグリッドを目指し必死になるので、
撮影する側は結構楽しめたりする!(失礼!)
やはり真剣勝負が絵になるのはどんな競技でも同じこと、
絶対に、いつもこんな走りが撮れる環境を設定するべきだと思う。


現時点では裁定は出ていないが、
マイケルに対するクレームが無効、予選の結果通りだとすれば、
マイケルのポールポジション、
そして2番手はアロンソと、見応えタップリの決勝レースとなるはず。
天候もまず心配無さそうだし、明日は暑く長い1日となりそうだ。


暑いのも、長いのも、いい戦いがあれば全く問題無い。
体調、気分よし。
20回目のモナコGP、堪能したいと思う。

2006.05.27

MONACO GP Friday



ある意味では予定通り、本日は休息日。
朝もゆったりと起きだし、取りあえず予定は未定。
南仏の目映いばかりの陽光に包まれて、
コートダジュールの蒼い海を眺めていると不思議と心が安らぐ。


ブランチにホテルの目の前のショッピングモールで
エスニックプレートを食べ、
そのままTeam ZEROBORDERのメンバーの一人、
ボリスの愛娘、コリーナの1才の誕生日のプレゼントを選ぶ。


可愛いプレゼントが選べ、とてもいい気分になり、
波の音をBGMに海岸で何をする訳でもなく佇んでいると、
今年の開幕からの出来事がつい昨日の出来事のように思い浮かんできた。


バーレーンGP、SAF1のF1参加あり、
またF1SCENE3年目の初戦ということもあり、
緊張感のある開幕戦だった。
レース後、そのまま東京に向いタッチ・アンド・ゴーで灼熱のマレーシアGP。


考える余裕も無いほど肉体的には疲労困憊。
だがモチベショーンは高いレベルでキープできた。
帰った週に、国内のGTレースを終えオーストラリアへ。


アルバートパークは天候不順、レースも波乱含みだった。
その夜、東京に戻り週末は鈴鹿でFNの撮影。
そしてヨーロッパ・ラウンドへ突入。


ここまで全力疾走を続けて来た。
今はまだ振り返る時期ではないかも知れないし、
また振り返る必要もないのかも知れない...


ただ時間の流れの速さ、人と人とのつながりの暖かさ、
「縁」というものを今年ほど感じ、ありがたいと思ったことはない。
束の間の休息と、懐かしいコートダジュールの海の蒼さが、
ほんの少しの間、思い出す時間をくれたのかも知れない。


さあ、明日からは新たな気分で自分なりのモナコGPを!

2006.05.26

MONACO GP Thursday


カメラマンとして、モナコならではの楽しみ、
それは「モナコらしい写真を撮ること」。
きっとそれに違いない!そう思いながら本日第1日目を終了。
しかし撮影後、画像のチェックをしていて、違和感が...


確かにモナコらしい写真ばかりなのだが、
まるで絵葉書か?ウ〜ンやはりこれは違う...
モナコはどこを切ってもモナコ、
だから敢えてモナコなんて意識をしなくてもいいのかもしれない...


20回目のモナコで初めて戸惑う。
今までは戸惑うこと無く、ただひたすら夢中になって撮っていたのに、
今年は何故か迷いがある。
20回だからこそ、という思いの強さが今日は裏目に出ているのかも知れない。


さて明日金曜日にF1は走らない、
だからモナコGPは期間中に1日の休息が得られるのだが、これは有り難い。
特に今回の僕の場合にはリフレッシュできるので助かる。


明日は海岸で海を眺めながら風に吹かれて過ごすとするか?
他のGPではそんな気分にならないが、
モナコでは何故かそんな気分になれる。


土曜日からリ・スタート!

2006.05.24

MONACO GP Wednesday



コートダジュール、ニース、モンテカルロ......
もちろん多くの人にとっても特別な場所かも知れない。
でも僕にとっては更に特別な思いのある街でもある。


F1を撮影するようになって2シーズン目にパリのアパートを借り、
そこをベースに2年間F1、モトGPをカバーしていた。
しかし、当時の僕にはパリの良さはまだ理解できず、
車の渋滞、埃っぽい街並みなど、東京と変わらないなぁ
そう思っていた。


そんなおりに、知り合いのニース在住の作家I・Y氏に
「ニースはいいよ!」と言われ、
その一言でパリからニースまで走るその間、900キロの間に、
もう僕の気分は既にニソワーズ(ニースっこ)になっていた!


海岸通り(プロムナードアングレ)を車で走りながら、
アパルトマンの窓に下がっている「貸します」の札をチェック。
良さそうな所は電話番号を控え、不動産屋の名前を書き写す。
車なら端から端まで走っても、僅か10分もあれば過ぎてしまう。
5〜6件の物件に目安を付け終えた頃、目的の作家宅に到着。


当たり前だけど、地名はプロムナードアングレ○○番地、
その響きは僕には凄くスマートで、オシャレに聞こえた!
僕を迎えてくれた彼に、既に「貸します」の看板をチェックしてきた!
と話すと、さすがに飽きれ、ただ笑っていた。


気持ちが入ると行動は早い!ホテルに戻り、荷物を降ろすと、
早速ホテルから不動産屋に向かった僕は、
お目当ての物件を見せてもらうことに。
海岸沿いの最上階、テラスあり、まさに理想通り!
部屋をロクに見もせずに、決めた!


ニースについてから何と僅か4時間ほどで、
僕はアパートの契約書にサインをしていた!
しかも地下には車2台分のガレージ+カーブ、
文句の付けようの無い環境だった。
翌日、前日尋ねた作家宅を訪れ、アパートの契約をしたよ!と告げると、
驚いたり、飽きれるどころか、しばし絶句していた。(笑)


そんな思い付きのような契約から、
2年間ニースをベースにF1を撮影することになったのだ。
家から通うモナコGP、これは実に気分良かった。
しかし何故そんな気にいった環境を僅か2年で手放したか?
それには時代背景が大きく影響していた。


当時はまだフィルム・カメラの時代であった。
ということは、日本の企業と契約していた僕は撮影済みのフィルムを、
日本まで速やかに送らなければならない。
しかし、ニースからの発送となると、
パリとは違い更に1日余計に必要であった。


締め切りはどの世界でもあり、
それがニースでの僕の仕事に大きな影響を与えていた。
現代ならDTPとインターネットの普及で、
世界中のどこにいても回線さえあれば仕事に支障はないのだが、
当時はそうはいかない。
ロジスティックな問題は仕事上でも大きなウエイトを占めていたのだ。


パリならば空港のカーゴに持ち込めばその日の便に乗せることができた。
ニースなら更に1日必要だった。
しかしもし、日本に僕がフィルムを持ち帰れば......
翌日には日本で現像、セレクトができ、そのまま納品できる。


ニースでの2年間を経て、その後10年近く、
僕は時差と戦いながら日本とF1を往復することとなった。
いまのインフラが当時あれば...
僕はきっと今もニースの自宅からモナコGPに通っているはずだ...


P.S
スペインGPでのルノー・フォト・コンペティションでウィナー!
今期の初受賞、さあF1これから!