GP Letter

2006.06.27

CANADIAN GP Tuesday (After The Race)



EPSON R-D1s with LEITZ ELMARIT-M 21mm/F2.8


戦い済んで...
昨日までの好天が嘘のような曇天、
モントリオールは暗く重い雲の下にあった。


連日の4時半起きは応えたか?と思ったが、
思いのほか元気で、天候のせいもありインドアでアクティブな活動をした!
えっ?そう、ただ単にショッピング・モールを巡り、
そして買い物をしただけの事なのだが。(笑)


連戦ゆえアメリカGPまでの間、僕はモントリオールにて休養する。
アメリカにさっさと移動する者もいれば、
ギリギリまでカナダに留まる者もいる。
もちろんアメリカでもN.Yに行ったり、
あるいはカナダでもナイアガラ・フォールズ観光をしたり、
まさに十人十色である。


例年の僕ならば、何も迷わずゴルフクラブを抱えて、
すでにお気に入りのゴルフクラブに向っているはずだが、
今年は少しばかり状況が異なる。
現実的な仕事も忙しい上に、相棒のデザイナーTがゴルフをしない、
そして更に極めつけは、
新しいデジタルカメラという最高のオモチャを与えられているので、
実は写真を撮ることが楽しくてしょうがないのである!


以上のような状況からゴルフ道具も持参していないし、
天気が思わしくないのもあるが、
ショッピング・モールのゴルフ・ショップを覗いても、
あまり触手は伸びず、フ〜ン...という感じで終わる。


むしろウインドウ・ショッピングをしていても、
何かいい被写体はないか?この色はキレイだなとか、
このレンズならどんな風に写るかな?などなど、
そんなことばかり考えている自分が不思議でもある。
もしかして僕は写真を撮るのが好きだったのか?(爆笑)


やっと自分の本懐がゴルフではなく写真を撮ることだと悟らせてくれ、
そして写真を撮る楽しさを思い出させてくれた、
レンジ・ファインダーのデジタル・カメラ。(嘘みたいけど本当の話!)
一つの新たなイマジネーションは、本業の写真にまで影響を与えてくれた。
今年の僕は更にひと味違う写真が撮れそうな予感がして来た。


アメリカまでの数日、モントリオールをこのカメラで楽しみ、
新たな感覚でアメリカへ乗り込みたい。

2006.06.26

CANADIAN GP Monday (After The Race)


EPSON R-D1s with NOCTILUX-M 50mm/F1.0


僕の目の前には20オンスはあろうかと思われる巨大なオマールがあり、
茹でて食すか、はたまたグリルか?ウ〜ン、ボイルも捨てがたい!
などどと今まさに、嬉しい悩みに取り付かれている最中に、
どこからともなく聞こえてくる遠い電話の呼び出し音...


非常に不愉快な目覚めであった...
その音が自分の携帯電話の呼び出し音であることを、
まだ目覚めきらぬ頭の片隅で認識し、電話を取るまでこの間10秒あまり。


目の前の大振りのオマールから僕を引き離し、
午前4時半の現実に連れ戻した犯人は、
パリ・オフィスのフランス人スタッフ、Tだった。
多くの場合、夜中の電話っていい話じゃないのが常なので、
何だろう?という不安を包み隠し電話に出る。


すると電話の向こうからは妙に晴れやかな声で、「ボンジュール!」ときた。
その晴れやかさにムッときた僕は開口一番、「今何時か知ってんの?」
おそらくかなり不機嫌な口調で言ったと思う...
すると相手のトーンも下がり「今何時なの?」ときたので、
「午前4時半!決勝レースが終わって作業も終了して、
ホッとして安らかに眠りながら美味しい夢を見てた真っ最中!」


Tは申訳無さそうに、「ルノーがね...」と切り出した。
どうしても広告用にTeam ZEROBORDERの写真が使いたいと伝えて来た。
そして申し訳ないけども1時間以内に大きなデータが欲しいとも。


おっと、仕事の話、それもいい話じゃないの!
ならばと、別室のADのTを叩き起こしデータを受け取り、
早速アップロードに取りかかる。
数分で作業を終わらすと、
今度はまるで別人のようにご機嫌な声でパリに電話!
(このまるで別人格の様な僕の対応にはパリも戸惑っていたようだが...)


携帯やメール、世の中日々便利になっているようだが、
反面、何かを失いつつある気がするのも事実。
そしてその「便利さ」に甘んじ「道具の使い方」を誤ると、
それらのツールは「電子の首輪」となり、
24時間、世界のどこにいても僕は捕まることになる...
それが嫌なら電源を切ればいい、
判っているけど、電源を切れないのも悲しいかな、自分なのである。



一旦目覚めてしまうと、そう簡単に寝むれない性質なので、
散歩がてらカメラを取り出し、ホテルの周囲の写真を撮る。
ひとしきり撮影を終えると部屋に戻るが、まだ眠くない!
一刻も早くオマールの前に戻り、続きを...
と思えば思うほど、そして焦れば焦るほど、眠りの精はやってこない...
「おいっT!僕のオマールを返せ!」(笑)


午前4時半の戯言なので軽く流してもらえれば...

CANADIAN GP Sunday


爽やかな朝であった、
だがそれは暑く長い1日の幕開けでもあった。


午後1時スタートの決勝レースではあるが、
思いの外、プレスの出足は早い。
それはカナダならではの駐車場の問題も影響しているのだが...
ここのサーキットはオリンピックのボート競技場に併設されているので、
関係者の駐車場がボートコース沿いに並んでいるのだが、
これが曲者で、サーキット到着が遅れると、
最大2000メートル地点まで行かなければならない!


シャトル・バスもあることはあるのだが、
タイミングが悪ければ歩いてプレスルームまで行くしか術はない。
まあ、1日中歩いている僕らだからどうってことないでしょ?と言われれば、
確かにそうなんだけど、朝一番から2キロ歩くのはできれば願い下げしたい。


そんな事情もあってここのプレスの出足は早い。
午後1時のレースまでサポートレースはあるが、
ここは北米なので、GP2のようにリアルにF1に絡んでくるイベントは無い。
なので、昨日までの写真の整理や、送信などで時間を過ごす。


路面温度も上がり、人間もヒートアップして来たスタート30分前、
グリッドは路面の照り返しで陽炎が立ち上がり、
少しでも冷却効果を高めようと、
マシンの吸気口にはドライアイスから冷風を送り込んでいる。

シグナル・オールレッドから消灯、スタート。
なんとフロント・ローのフィジケラのジャンプ・スタート!
終盤のライコネンのトラブル絡みで、マイケルと順位が入れ替わったが、
そしてそれ以外はいくつかのクラッシュがあったが、
おおむね予想通りのレース展開だった。
個人的には序盤にライコネンがあわやアロンソをパスするか!
と唸った場面が唯一最大の見所だった。


もっと唸れるレースが見たい!
これは贅沢なことなのだろうか?
レースの醍醐味は作戦ではなく、バトルだと思うのは僕だけではないはず...


ストップ・ザ・ルノー!誰かルノーを止めてくれ!

2006.06.25

CANADIAN GP Sunday morning (Before the Race)


EPSON R-D1s with NOCTILUX-M 50mm/F1.0


昨日と同じく爽やかな朝を迎える。

決勝を控えて緊張するのはドライバーだけではない。
20年もグランプリを追い続けている僕なので、
まあ今更緊張したわけではないのだが(笑)
今朝は何故か朝の4時半に目が覚めてしまった。
カーテンの隙間から表を覗くと、夜はいまだ明けきらず、
辺りは静まりかえり、時折走り去る車のエンジン音と、
エアコンディションの音だけが低く唸るように聞こえていた。


どうした訳か、それから再び寝つくことはできず、
今日の決勝レースのシュミレーションを、
妙に冴えた頭の中で繰り返してみる。


スタートを1コーナー、イン側のスタンドで撮り、
その後はブリッジを渡りアウト側へ。
昨日撮りきっていない秘密の場所で、秘密の写真を狙う。
その後、満員のグランドスタンドをバックに立ち上がってくるシーンを、
そして今もなお思案中なのが、チェッカー&ポディウム。
これはおそらく最後の最後、レースの展開によっても流動的になるはず。
ここで野性的な勘が働けば、思わぬ撮影パターンに走ることも...


大まかには決めるが、あとは現場の状況と本人の気分。
毎回コロコロ変わるのが僕の特徴でもある(笑)
ここは!と思えば気に入ったカットが撮れるまで動かず狙い、
思っていたシーンにならなければ、
1カットもシャッターを切ること無く次のポイントに行くこともよくある。
さてどんな決勝レース、そしてどんな写真が撮れるか?
この緊張感と高揚感はカメラマン以外にはわかるまい!

CANADIAN GP Saturday


昨日の夕焼けから一夜明けて、今日は爽やかな一日の始まりだ。


空を覆っていた雲は所々に残骸を残すのみで、
多くは風に流され、青空がきれいに澄み渡っている。


素晴らしい天気の予感。
こんな一日はコースで撮影することが何よりも楽しい!
光と影のコントラストを探し求め、自分のお気に入りのポイントまで歩く、
普段は重い600mmも勝手なもので、
こんな日はむしろ軽くさえ感じるのだから...人間やはり気分の動物だ!


この北米2戦を終えると、次はまさに正念場のヨーロッパ本土決戦だ。
暑く、厳しい戦いが再び始まる。
その前のホンの一時ではあるが、爽やかな風と空気に包まれて、
清々しいF1の舞台を満喫すべく、コースサイドに向う。


コース自体が公園の中にあることもあって、
コース・サイドの森の中では様々な動物達に出くわすことがある。
今日はビーバー、そして大きなしっぽのリスだった。
彼らは人を見ても物怖じせず、平気な顔で堂々と日々の営みを続けている、
その様はまるで「ここは俺たちの領域だぞ!」と言われているようで、
こちらが小さくなるのが当たり前、そんな気分にさせれる。


予選結果はルノーのフロント・ロー独占。
本日の努力賞はトヨタのJ・トゥルーリ、
他はみなさんもっと頑張りましょう!というところだ。


この予選の結果により、
明日の展開は圧倒的にアロンソおよびルノーが有利になった。
打倒アロンソを果たす勇者はいずこ?
個人的にはニコ・ロズベルグ辺りに最も期待をしてるのだが、
どうも結果は思うように伴わずという感じだ。


明日の決勝も天気は晴れ、気温27℃という予想、
何故か淡々とした決勝レースの予感が...
おっと、まだ消化レースじゃないんだから!

2006.06.24

CANADIAN GP Friday


朝から薄曇り、肌寒いくらいの1日のスタートだ。


それにしても昨日のプレスルームはワールドカップの話題で持ち切りだった。
にわかファンや評論家を始め、それぞれが自国の応援をするので、
チャンスで叫び、ピンチでうなだれ、ゴールで歓声と、
プレスルームもさながらアリーナの様相を呈す。
残念ながら我が日本代表はブラジルに翻弄され完敗。


ふと10数年前に一度行った、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロにある、
マラカナ・サッカー場の光景を思い浮かべた。
当時世界最大と言われ、20万人を収容すると言われたその競技場、
その全てが人で埋め尽くされ、満員のカリオカ達の熱狂ぶりが、
その直前に開催されたリオのカーニバルを連想させ、
しばし不思議な気分で眺めいってしまった。


かつてF1がリオで開催されていた頃、
それはまたF1が華やかなりし頃だったが、
リオでのグランプリは僕にとっては結構な楽しみでもあった。
コパカバーナの海岸沿いのホテルに泊まり、
イパネマ海岸を散策する。
蒼い空と強烈な日射し、そして白い波とで生み出す爽やかなオゾン、
思わず深呼吸してしまうほどだった。


と、いきなりの激しいエンジン音で現実に引き戻される。
セッションの合間にブログを書いていたのだが、
気がつけば午後のフリー走行の時間になっていた!
束の間の遠い記憶への空想は断ち切られ、現実が待っていた...


結果からいえば我が日本勢は今回も指定席ともなっているポジションだ。
しかしサードドライバーの山本が、ラップを重ねるごとにマシンとコースに慣れ、
そこそこのタイムで走れるようになったのは収穫か?


明日は予選、そして天候もどうやら問題無いようだ。
特別なことが無い限り、順当ならアロンソ、ライコネン、マイケルの順位と僕は予想する。
もしもこの予想を見事に裏切って上位に食い込んでくるドライバーがいるならば、
それはそれで大歓迎であるのだが...

2006.06.23

CANADIAN GP Thursday


EPSON R-D1s with VOIGTLANDER NOKTON CLASSIC S-C 40mm


開幕から数えて第9戦、
ちょうど折り返し点となるカナダGP。
気がつけばシーズンの半分を消化、
時間の流れの速さに、自らを当てはめ、
どこまで思ったことができたか?
振り返るにはちょうど良い7時間というフライトだった。


フランス、ドイツ、ベルギーのF1関係者多数を乗せ、
ほぼ満席のエールフランス346便で、
パリから緑と水に囲まれた北米の都、モントリオールへ入る。


空港からダウンタウンに向う途中に垣間みた光景、
逆光にシルエットで浮かび上がるダウンタウンの街並、
刻一刻と碧から群青に変化して行く空、
昨晩の夕暮れは本当に素晴らしかった...


しかし一夜明けて、天気予報は見事に的中!
シトシトと小雨の降る曇り空。
カナダらしいといえば、そうともいえるこの空模様、
だが予報は午後から晴れとのこと。


今日も再び昨日のような光景に巡り会えるか?
それとも例え高速道路上であっても、
車を止めてカメラを出して、撮影するべきだったか?
一期一会という言葉が脳裏に浮かんでは消える...


次は無理してもそうしよう!
一切の後悔を残さぬ為にも。