GP Letter

2006.08.28

TURKEY GP Sunday



実はイスタンブールは初めてのサーキットであった。
20年間F1を追っていて久しぶりの初めてのサーキットと国、
トルコという国、イスタンブールという街も人も、
鷹揚さと厳しさを兼ね備えていて、
またアジアの極東にある日本と中東のトルコの意外な共通点もあり、
地図上の距離よりも遥かに身近な隣国と感じ得た。
おそらくF1がなければ来ることはなかった、
そう思うと、やはり縁とは不思議なものだと思う。


さて、ここでの結果がどれだけチャンピオン・シップに影響を与えるか?
周知の事実ではあるが、10ポイント差という点差を考えると、
残りレース数と1ポイントがシビアになってくる。
ドライバーズ・ポイントやコンスタラクターズ・ポイント、
様々な思惑が絡み、一筋縄ではいかない残り5戦である。


高原にあるとはいえ、気温35℃を超えたイスタンブール・パーク、
プライドとタイトルを賭けた男達の戦いは始まった。
そして、やはり勝負事に「運」は必要だと、
改めて思い知らされたレースでもあった。


事実上の直接対決ともいえるこのレース、
注目のスタート、左に曲がり、落差のあるこの1コーナーは、
ある意味では難所である。
良いスタートをきったフェラーリの2台、
ルノーのアロンソは事なきを得たが、
中盤以降は多重クラッシュになった。


レースはマッサがリードする形で展開する。
しかし、この後13周目にペースカーが入り、
ここで「運」の善し悪しが現れた。
その瞬間、何と2台が同時にピットに入ったフェラーリ!
その間隙をぬってアロンソは機敏なピットクルーにも助けられ、
マイケルの前でピットロードを出た...


これが今日の全てであった。
最後にマイケルはアロンソを追いつめるが、
これはどう見ても抜くことのできるほどスピードに差がある訳ではなく、
またアロンソがマイケルのプレッシャーに屈するとは思えず、
僕にはマイケルの最後のあがきという風に見えた。


残りレースを考えると、結果的にここの2ポイント差が加算され、
合計では12ポイント差となり、
アロンソはチャンピオンシップをほぼ手中に収めつつある状態だ。


それにしてもアロンソは何とクリーンなレースをする好漢だろうか?
これまでも彼のレースぶりは常々フェアだと思っていたが、
今日のこのレースを見て尚更そう思った。


F1には過去にはセナvsプロストを始めとする多くの因縁の対決があった。
しかし、今のアロンソvsマイケル(敢えてアロンソから書く)のバトルは、
見応えもあり、誰もが納得するレースを繰り広げてくれる。
タイトル争いをここまでクリーンに、且つスリリングに、
見せてくれたドライバーはいなかった。


しかしまた、F1はチームの戦いでもある。
2台揃って表彰台に上ったフェラーリはコンストラクターズ・ポイントで、
ルノーに肉薄してきた。
そして次戦はフェラーリの地元とも言えるイタリア、モンツァ。
熱くならずにはいられないはず、
どんなレースが展開されるか?今から楽しみである。

2006.08.26

TURKEY GP Saturday



昨日はようやくフェリーに乗ることができて、束の間の小旅行の気分。
僅か20分足らずではあるが、海上から望むモスクの並ぶ旧市街、
そして近代建築の高層ビルの目立つ新市街のコントラストは新鮮だった。


さて連日の事だが、ホテルに戻るとほぼ疲れきっていて、
今日は何を食べるか?何て事も考えなくなり、
結果として毎日同じレストランに通い詰める羽目になる。
そんな訳で、イスタンブール入りしてからは、
連日ケバブ(トルコの代表的な串焼き料理)の夕食で済ましている。
もちろん、そのケバブにもバリエーションはあるのだが、
肉がビーフかチキンかはたまたラムか、といった程度であるのだが...


もちろんイスタンブールは海が目の前なので、
当然シーフード料理もあるのだが、
我がホテルから海岸まで歩いて20分、
それも行きは楽々の下り坂、となれば帰りはひたすら上り坂!
それもかなりの急勾配であるから、躊躇するのである。


もちろん車で何てとんでもない!
せっかく渋滞を抜けて帰り着いたのに、なんでまた車で出かけるものか!
ということで残された2回の夕食も、
おそらくはケバブーになりそうな予感がする...


さて肝心のF1だが、まずは注目のSAF1。
コンプリートな新車SA06/Bは1台のみ、
タイム的にはフロントを旧車から流用していたSA06/Aと比較すると、
明らかに向上している。
しかしレースとはそんな簡単なものではないということか、
予選はいつものポジションに落ち着いてしまった。

注目のチャンピオン・シップ争いだが、
マッサがポールポジションを奪取、マイケル、アロンソと続く。
こうなると明日のスタートは目を離すことはできない、
ファースト・コーナーは必須だ。

2006.08.25

TURKEY GP Friday



昨日の顛末であるが、夕方5時半にサーキットを出発、
最終的にホテルに着いたのが7時半過ぎ。


ちょっと楽をしようかとフェリーで帰ろうと思ったのが間違いだった...
高速を走りながら、ディレクションを探すも、途中で見失ってしまい、
グルグル走り回ったが、諦めて元の道に戻ったら大渋滞!
そこからはテレテレ、ダラダラ流れに従う以外に方策は見出せず、
ひたすら辛抱の帰り道であった。
ただ夕焼けのイスタンブールをホテルの屋上から望めたのは唯一の救いだった。


ホテルのフロントで話を聞くと、「夕刻の2時間は悪くないよ」とのこと。
「それよりも問題は明日だ!金曜日は最高に混むからね」
そんな状況もあり、本日は思いきって朝の6時半にイスタンブール市内を出発!


しかし街は今しがた夜が明けたばかりで、
納品車、ゴミ屋以外の人々はまだ眠りについているのか、
清々しい夏の朝の静寂に包まれていた。


とはいえ状況は僕らには見えないので、とにもかくにも全開走行!
朝日にきらめく港を横目で眺めながら一つ目の橋を渡り、
朝霧のかかった海峡の吊り橋を超えアジア・サイドに入り、
ひたすらイスタンブール・パークを目指す。


道は順調、快適さは増してきて、またトルコの評価が少し上昇。
しかし、道は予想以上に空いていたのであった。
時計をみるとホテルを出てから僅か40分足らずでサーキットに到着。
もちろんメディアセンターへも一番乗り、ポールポジションである。


午前7時過ぎにメディアセンターにいても...
しかし遅いよりは良いではないか?
誰もいないガランとしたフォトグラファーズ・ルームから、
こうして今日も長いイスタンブールの1日は始まった。

2006.08.24

TURKEY GP Thursday


パリから空路で2時間40分あまり、イスタンブールに到着した。
機内の情報では外気温29℃、晴天、
先週の鈴鹿に比べれば格段にマシだが、それでも暑そうな気配。


実はイスタンブール上陸は今回が初めて。
トルコという国に関しては、アジアとヨーロッパの狭間にある国、
モスクの多い街というイメージしかなかった。


そして空港を出ての第一印象は、ブラジル+インドを2で割ったような国。
ルールと言う言葉が存在しないのではないか?
そう思えるような車と人の流れ。
空港からホテルに辿り着くまでにおよそ3時間を要したが、
ディレクションの少ない道路標識に惑わされ、
その間道行く人に道を尋ねること5回、親切な運転手に途中まで案内されつつ、
迷路のような狭い道を上ったり下ったりして、
まさに言葉通り、本当に辿り着くという感じだった。


到着後、ホテルで聞くとタクシーならば1時間はかからないとのこと。
激しい渋滞、迷路のような道、交通法規の無いに等しい道路環境。
さすがに劣悪な環境には慣れているとはいえ、
馴染むのには多少の時間が必要だが、それにしても時間のかかり過ぎ...
そんな事情もあり、イスタンブールの第一印象はあまり良いものではなかった。


一夜明けて、ホテルのレストランは屋上にあるとのことで朝食は屋上に。
そこからの眺めは、かのブルーモスクを眼前に遠く港や海が見渡せる!
これだけでも得した気分になれるほど。


さて、気分良く朝食を終え、ホテルからサーキットへ。
しかしこれがまた問題!
いわゆるヨーロッパ・サイドに滞在している僕らは、
橋を渡りアジア・サイドに渡り、サーキットを目指さなくてはならない。
理屈は判っていても実際の交通事情は別の話。
橋を渡るにはアンダーパスか上の道か?
瞬時に判断を下すのだが、これが当たるとは限らない...


しかし晴天の海岸沿いを走っているとトルコの印象が変わってきた、
港や遠くに大きな吊り橋を見ていると、
当初のブラジル+インドに更にポルトガルのイメージが加わってきた。
何とも曖昧な表現なのだが、ゴチャゴチャの市内と雄大な景色の対比、
スケール感の違いもあり、印象は少しアップした。


さてところで今日は無事に宿に戻れるだろうか?
最大の関心事、今はそれに尽きる...