ITALY GP Sunday
「現役引退」
スポーツ選手ならばいつかは向き合わなければならない、
避けることのできない道程。
大輪の花を咲かせ、散り往くサクラのごとくあっさりと現役を退く人がいる。
しかし道端の雑草のように風雨に晒され、人に踏まれても、
それでもひっそりとではあるが、逞しく咲き散っていく花もある。
どちらが良いとか悪いとか、そんな話ではない。
それは、どちらも真っすぐに生き抜いて来た証なのだから...
華やかなプロ・スポーツ選手の生活の裏には、
我々の想像を絶する苦労やプレッシャーがある。
良く言われる言葉に「プロは結果だから...」というのがある。
もちろんプロとして対価を得ている訳だから、
何らかの結果は求められてもやむを得まい。
しかし時に、目に見える結果だけで判断されることもあり、
実力を発揮できぬまま去らなければならない人もいるのだ。
マイケルの引退を遅いという意見があれば、
いや、まだまだできる!という声もある。
僕は引き際の良い引退だと思う。
7回、それはおそらくこれからも破られることは無いと思われる、
ワールドチャンピオンのタイトル獲得数。
そしてそれ以外にも、ありとあらゆるタイトルを手にいれ、
「皇帝」という彼の敬愛するサッカー界の往年の名選手、
ベッケンバウアーのニックネームを受け継いだ。
充分ではないか...
というよりも充分過ぎるではないか。
周囲がこれ以上彼に何を求めようというのだろうか?
F1デビューのスパ・フランコルシャンから、
引退を発表したモンツァまで、撮り続け、
昨年のオフには彼の写真集をフランスで出版した僕だが、
もしも直接声をかける機会があったなら、
一言「お疲れさま」とだけ言いたいと思っている。
そして残された3レース。
彼のF1での最後の時を僕なりに残しておきたいと思う。
「チャンピオンのまま引退」、それが彼に相応しいフェアウェルだと思うから...