GP Letter

2006.10.09

JAPAN GP Sunday



ものごと全てにおいて、
始まりがあれば終わりがあるものだ。


20年と言えば、生まれた子供が成人になるだけの年数、
カメラマン仲間とも、感慨深い思い出話をすることしばし...
Kカメラマンいわく、「その当時は俺は33歳だった...」
「子供もいなかったし、まして子供の進路の心配をするなんて想像もつかなかったよ...笑」


自分自身を振り返ってみよう。
20年前、1987年の鈴鹿での最初の日本GP。
当時F1誌の契約カメラマンだった僕だったが、
実はその年のシーズン開幕戦のブラジルGPが始めてのレースの撮影経験!
なので鈴鹿は生まれて始めて訪れるサーキットであった。


日本人初のパーマネントF1ドライバー、中嶋選手。
スタンドにはためく日の丸の数や、
まともに歩けないほどの観客の多さ、
そして僅か2キロ先のサーキットにたどり着くのに、
2時間以上かかった渋滞の記憶。


今年の鈴鹿はまるでその再現のようであった。
金曜日から道は混みだし、観客の数は増える一方。
空模様も悪天候から素晴らしい秋晴れへと、
まるで最後の鈴鹿へのご褒美のようでもあった。


やはり僕にとっての日本GPは「鈴鹿」である、
当たり前だが、新しいサーキットには思い出はない。
自分のキャリアと同じ年数、鈴鹿でF1が開催されたという事実、
そしてその20回目の鈴鹿に自分がいられたということ、
今はその事実に満足している。


レースの結果については周知のことなので、
多くは触れない...
だがリタイアしたマイケルがピットに戻り、
スタッフと抱き合う姿を見た時に、
ああ、今年のシーズンは終わったんだな...そう思った。


引退の花道にチャンピオンのタイトルを添えて欲しいのは事実、
だが、若き勇者は不利な状況におかれても、
決して諦めることなく、追撃の手を緩めなかった。


これが世代交代ということ、
アロンソは王者の目の前で非情にも見せた。
実際に引導を渡すことがこんなにも非情なものだとは...
引退とは人が想像するほどロマンチックなものでもないし、
優雅なものでもない。


いつの日か、新王者アロンソにもその時は来る...
できるなら、その日のアロンソをこの目で見て、撮影してみたい!
どうやら、また新しいモチベーションが生まれたようだ。


今はマイケルの功績を讃えお疲れさまと、
そして若き王者、クリーン・ファイターのアロンソを讃えたいと思う。
F1のバックボーンには様々な政治が絡んでいるのは事実だが、
今日のアロンソの諦めない走りには感動すら覚えた。


レースの世界に、「If...」は禁句だが、
最後までマイケルが走りきっていたらどうだったか?
いや、想像は止めよう!(笑)


Party is over...そしてまた始まる。

2006.10.08

JAPAN GP Saturday



友人の外人ジャーナリストは「鈴鹿に来るのが毎年楽しみだった!」という。
多くの熱烈なファンの歓迎ぶりも、親切な鈴鹿の人々も彼らには世界最高と感じるとのことだ。


そんな最後の鈴鹿に相応しい天候に恵まれた。
台風一過とは言えないのかもしれないが、
広がる碧空は最後の鈴鹿を讃えるかのような輝きだ。


予選はブリヂストン・タイヤ装着のフェラーリの2台がフロント・ロー、
そしてトヨタ勢が3、4番手。
ミシュラン・タイヤ装着のルノーの2台が5、6番手、
続いてホンダが7、8番手と見事にグリッドはチーム別に並んだ。


ここまでの結果を見るかぎりブリヂストンがやや優勢かと思われる。
しかし、レースは何が起きるか判らない...
スタートの良いルノーの2台が1コーナーに侵入時にどのポジションにいるか?
そしてフェラーリのマッサがどのポジションにいられるか?
この辺りがレースの鍵となりそうだ。


そしてSAF1だが、やはりF1の壁は厚く高かったと佐藤琢磨自ら認めたように、
今年は現在のポジションが妥当というところなのかもしれない。
また予選1週目のヘアピンでコースアウトを喫した山本左近は、
「ヘアピンから先のファンの方に走る姿を見せられず申し訳ない」と語り、
「決勝は最後の1周まで走り続ける」と力強くファンに約束をした。


レースは結果が全である、
どんなに努力をしても結果は非情で冷酷である。
「ウィナー以外は一緒だよ」といったドライバーがいた、
努力の過程を見て、評価してもらうことは叶わぬことだ。


個人的には最終戦のブラジルまで決着がつかなくてもいい、そう思っている。
やはりモチベーションを持ち続けて最終戦まで挑みたいと考えているからだ。
そして何よりも鈴鹿のメモリアルとなるような素晴らしいレースを、
15万人を超える大観衆の前で見せて欲しいと思う。

2006.10.06

JAPAN GP Friday



天気予報のとおりに朝から雨、
台風の来襲はこの時期には付き物だが、
またか?という思いが通じたのか、
台風は進路を変更してくれたようだ。


そして天気予報よりは早めに雨は上がり、
午後の走行時には雲が切れ晴間が広がってきた。
待望の日射し!
ここ数週間見てなかったような記憶の碧空。
ようやく鈴鹿でのラストラン、F1に相応しい天気になった、
引き続き今週末は天気も良さそうなので明日からが楽しみだ。


戦いを明日に控えて、フリー走行からジャブの応酬は始まっている...
フィジケラ、マッサ、シューマッハそしてアロンソと、
トップ4はルノー、フェラーリの2強で占められた。
とはいえ、すぐ後ろにはホンダのデビッドソンそして、
BMWのベッテルらが続いていて予断を許さない。


明日の予選は本当に見物だ。
順当ならば今日のフリー走行と同じような順位になりそうだが、
ここは鈴鹿、ホンダの地元でもある。
バトン、バリチェロの活躍次第では面白いグリッドになるだろう。

2006.10.05

JAPAN GP Thursday



中国との連戦GP、
どうやら雨も中国から付いてきたよう空模様。
台風も不気味な存在だし、
果たしてどんな週末になるのやら。


それにしても連戦での日本GPは忙しすぎる...
中国から日本に戻って来たのが月曜日、
そして火曜日、水曜日には東京でプレスカンファレンス。
睡眠不足の眠い目をこすりながら、木曜の朝には東京を出て鈴鹿へ向かう。


鈴鹿入りすると落ち着く間もなく、いきなり記者会見そしてインタビューの撮影、
これまたかつてないほど忙しく、せわしない。
雨も降り出し、僕の気分もピットの風景もかなり暗い...


天候に左右されるのはレースだけでなく、僕も同じようだ。
しかし、そんなことは言ってられない、
僕にとってサーキットは戦場だ。
その戦場で如何に戦うか?これが20年目の総集編なのである。


自分なりの「鈴鹿」を切りとること、
そしてマイケルと鈴鹿に、一体どこまで迫れるか?
明日から様々な思いを込めた日本グランプリは開幕する。