CANADA GP (Sunday)
アクシデントの多いレースだった...
ハイ・スピードトラックだけに、ミスは致命傷になる。
それにしても最後のリスタート後の琢磨の走りは凄まじかった!
失うモノのない強みと言えばそうなのだが、
しかし8位完走でもポイント1点を積み重ねられる状況だったにも拘らず、
あの追い上げには目を見張った。
もちろんアロンソを抜いた瞬間も驚いたが、
何よりもR・シューマッハとの数ラップに渡るバトルは見ていてドキドキした。
「もういいよ、1点でも充分だって!」僕の心の叫びだった...
しかし彼は見事にアタックを仕掛け、
シーズン前には想像もつかなかった6位入賞を成し遂げた。
レース後、鈴木亜久里が開口一番、「いや〜今日のレースはホントに疲れたよ...笑」。
本音だろう、そしてその嬉しそうな口ぶりは「頑張ってF1チームを立ち上げて良かったよ!」
そう言外に言っているように僕には聞こえた。
「次の目標は?」ジャーナリストの質問に「まだ何か望むの?笑」と笑顔で答え、
祝杯のシャンパンを注いだグラスを僕に差し出した。
今日ばかりは、そしてこのシャンパンだけは心から飲みたいと思った。
連戦ゆえレース終了後速やかにチームは撤収作業をしなくてはならない。
その合間をぬってチーム・フォトを撮影したが、
メカニック達も琢磨も、そして鈴木亜久里も本当に嬉しそうだった。
思わぬ成績にまた横槍が入る可能性もある、
そしてもちろん運もあったのも事実。
しかし6位完走は立派な記録であり、
チームの状態を考えれば最高のリザルトだ。
そして忘れてはならないニューヒーローの誕生だ。
L・ハミルトン、今回のレースに限って言えば、
彼のアベレージスピードは異次元だった。
ファーステスト・ラップこそはアロンソが出しているが、
コンスタンシーという部分ではハミルトンの方が速かった。
F1参戦以来ずっと表彰台をキープし、6レース目にして優勝。
どんなにマシンが良くても、これは誰にでもできることではない。
昨年のチャンピオンのアロンソのチームメイトということもあり、
確かにここまではチャレンジャーとして、ある意味では気楽な部分もあったと思う。
しかしここで勝ってしまったことにより、今度は勝者として今まで感じることもなかった、
別のもっと大きなプレッシャーを感じることになる。
僕の興味は次戦のインディアナポリスでのUSGP、
ここでの彼の戦い方に是非注目してみたい。
勝ったレースの次のレースで、何のプレッシャーも感じず、
平常心で戦えるとしたら、それこそ彼はサイボーグかもしれない。
ハミルトンはもしかしたらマイケルのように、いやマイケル以上の才能の持ち主なのか?
USGPが楽しみになってきた。