GP Letter

2007.08.05

Hungary GP (Sunday)



理解し難い裁定、そしてその理由。
F1のスポーツマンシップ精神を一番台無しにしているのは、
他ならぬ総本山のFIA(Federation International De L'Automobile)だ。


早い話しが今回のトラブルはマクラーレンのチーム内の問題であって、
FIAがどうのこうのと口を挟むような問題ではない。
それをコンストラクター・ポイントの剥奪だとか、ドライバーズ・ポイントは有効だとか、
何を根拠にそんな裁定を下したのだろうか?


もしもこれが下位チームでの出来事だったら?
おそらくFIAは何も関与する事も無く、チーム内で処理された事だろう。
もちろん、トップチームだから他チームの規範となる必要があるのは当然だが、
しかしだからと言って今回のように、
いわばオーバー・ルールをむやみやたらと振りかざすのはどうか?


車という道具を使い争う競技だから、そこに様々なハンデは生まれて当然。
その上で成り立っているF1グランプリだということをもう一度良く考えて欲しい。
エンジンも何もかも規制だらけにして、何がF1だ!
F1は何もかもが最高のモノだからF1なので、そもそも規制が加わる事の方がおかしい、
コストがかかりすぎる?ならばGP2に参戦すればいい。
元々レースは贅沢な遊びなのだからお金はかかって当たり前、
その上でF1に参戦したいというチームだけが参戦すれば良いのではないか?


今やレースは市販車開発へのフィードバックなどとは言えない時代。
環境問題、資源の問題などを考えれば、
レースというイベント自体が反時代的で反社会的な興行であるという事実を認識して欲しい。
その上で開催するイベントだから、だからこそ最高のモノにしなくてはならない。
そのメカニカルなマシン、舞台、そしてドライバーも含め、何もかもが最高のステージ、
これがF1グランプリの世界であって欲しい...
そして、これこそがF1グランプリが存在し続け得る唯一の方策だと僕は信じている。


この事件で一番気になるのはドライバー達のモチベーションだ。
彼らにとって一番大切な名誉でもあるドライバーズ・ポイントは残されたので、
その部分だけは幸いだが...それで何もかもが納得できるはずは無く、
また多額の資金を提供しているスポンサーにとっても、
今回の騒動はマイナスのイメージしか残らないだろう。


さて肝心のレースだが激しいバトルがあったわけでもなく、
何事も無かったかのようなレース展開に終始した。
ハミルトンこそ喜びの表情を見せていたが、
何とも納得のいかない無念のハンガリーGPであった...


新しい場所での新しいグランプリ開催を考えるのも良い、
しかしその前にまずFIA内部から意識改革を進めていかなければならないだろう。
ファンあってのF1、この基本を忘れてはならない。
本当のバトル、真のレースを見たい!一人のファンとして、
心からそう願う。


Hungary GP (Saturday)


天気予報は微妙に当らず、朝から快晴。
涼しく快適なハンガリーGPの予選日だが、日本勢にとっては厳しい1日だった...
SAF1のA・デビッドソンこそQ1を突破し15位を確保したが、
チームメイトの佐藤琢磨はコースアウト。
そして2台の本家ホンダはバトン17位、バリチェロ18位。
さらに今回がスパイカーで初レースの山本左近は最下位となった...


まあ左近の最下位はテストもなく、いきなりの初レースなので仕方のない結果だと思うが、
低迷の続くホンダ・レーシングはまさに迷路に嵌り込んだような状態が続いている。
昨年のこのハンガリーGPでのバトンの優勝、
そのレースが実力通りの優勝であったと言う訳ではなく、
結果としての優勝だったとホンダの中本氏も認めている。
そして「次こそは実力で勝ちたいですね!」と語ったその言葉から、
早くも1年が過ぎようとしている...


ホンダの復活、この1年の間、我々日本人ジャーナリストはその瞬間を心待ちにし続けている。
日の丸をポールの真ん中に掲げ、君が代をサーキットで聞くことの素晴らしさは、
その時現場にいた者にしか解らない感覚であり、特権でもある。
そしてコレだけは何度聞いても飽くことなく聞けそうな気がするのだが...


なんてブログを書いていたら、マクラーレンのロン・デニスとF・アロンソが、
予選終了後にコントロールタワーに呼び出された!


それは最後のアタック前のピットインでの出来事の件だ。
アロンソが先にピットイン、タイヤのチョイスに時間をかけていると、
後ろからハミルトンがピットに入って来た!
しかし中々出て行かないアロンソ号に痺れを切らしたロン・デニスが、
物を投げるという行為で、珍しく怒りを露にしたのだった。
テレビカメラはその瞬間を映しだし、
更にはアロンソのマネージャに詰め寄るシーンまでもが映されていた...


すでに予選が終って6時間が経過しているが、
今だに予選結果はプロビッショナル(暫定)のままで、
正式結果は出ていない。


アロンソが意図的だったのか、どうかは判らない。
しかし彼のその行為によって、ハミルトンが最後のアタックをできなかったのは事実だ。


確かにハミルトンに対するチームの扱いは異常なほどだと思う事もある。
今回のロン・デニスの一件もしかりだが、
先日チームの広報から我々カメラマンに対し、
「ハミルトンの1年目(仮題)」という写真集を作るから、
写真を提供してもらえないだろうか?という打診のメールが来た。


もちろん主導はハミルトン側だろうが、
チームがそんな手伝いを1年目のドライバーの為にするなんてことは今だかつて一度も無く、
僕自身はありえない話しだと思う。


インテンショナルか偶然か?
追い越しの難しいハンガロリンクのコースだけに、
微妙で、またデリケートな問題だと思う。
しかし、F1にとってこんなトラブルは先般から続いているスパイ事件同様、
マイナスイメージでしかなく、ゴシップ紙(誌)を賑わしてどうするのか?


F1が正常進化を続け、世界中で受け入れられるイベントになるためには、
もっとオープンなF1を構築していく他に道は無いように僕には思えるのだがいかがだろうか?

2007.08.04

Hungary GP (Friday)



猛暑の予定のハンガリーGPだが、
今日現在、耐えられないような暑さではなく、気温はようやく30℃を越える程度。
日本の30℃と大きく違うのは湿度、湿気の少なさが大陸の有り難さだろう。
体感的には温度より湿度の方が嫌な気分になることを知っているので、
今日のハンガリーは僕にとっては全く問題無い環境だ!


さて文字通り突然のごとく、F1の世界にカムバックした山本左近。
SAF1からSPYKERに電撃移籍!
その真新しいレーシングスーツ姿に、今年はピットが隣り合わせの、
SAF1のクルーからも冷やかしの口笛が飛び乱れる(笑)


さあ、取りあえずF1のシートは獲得した、
しかし前途が多難なのも周知の事実。
果たしてここから這い上がり、登る事できるか?
彼もこのハンガリーGPからドライバーとしての正念場を迎えることになる。


日本人ドライバーが増える事、それ自体は嬉しいことだ。
しかしただF1に乗っているというだけでは、それ自体ちっとも嬉しい事ではない。
やはりレースの中でバトルやファイトができるチーム、それが理想だ。
もちろん簡単にはいかないだろう、
でもあのマイケルだってジョーダンから、そしてアロンソだってミナルディから、
F1デビューをしているのだ。
(この際、最初からマクラーレンなんていうハミルトンは例外と考えた方がいい)


あとはドライバーの腕次第、
どんな評価を受けるかは本人のパフォーマンスに懸かっている。
もちろんF1はマネーゲームの要素が絡むのもまた事実、
だが基本的に速いドライバーはどんな車に乗っても、キラッと光り輝く瞬間があるもの。
そこを辣腕チームオーナー達が見逃さずにスカウトしにくるのだ。


F1ドライバーと呼ばれる資格のあるシートは、世界中で22席しかない限られたシートだ。
まずは参加すること、その参加する事さえも簡単ではないのだから、
山本左近は恵まれている。
あとは自身が光り輝き、ステップアップできるかどうか?
課題は山積みだがここまで来たら、後はやるしかない!
彼の頑張りを心から応援したいと思う。